相続対策
ここでは主な相続対策について解説していきます。
その前に今のご自身の状況は把握できているでしょうか。
相続対策はそれぞれの状況により一人ひとり違ってきます。
ご自身では大丈夫だと思われていることが後にトラブルを引き起こすこともあります。
ご自身の状況が把握できていない方は「相続診断」ページからお読みください。
では解説していきます。
相続対策には大きく分けて2通りあります。
1 相続税に関すること
2 相続トラブルに関すること
相続対策というとまずは相続税対策をお考えになるでしょう。
ですが、遺産分割などをスムーズに進め相続人の負担を軽くすることも相続対策です。
順番に見ていきましょう。
1 相続税に関すること
相続税の課税対象の方は全体の8%程度です。
もちろん多くの方が節税対策をされての数字だと思われます。逆に考えるとほとんどの方(9割以上)は課税対象になっていないということです。
とは言えやはり相続税に関する心配事は尽きませんよね。
ご自身の資産状況と見比べながらお考えください。
ここでの対策は「相続診断」で計算した資産が基礎控除額を超えるかもしれない、という方が対象です。
はるかに超える方はあまり参考にならないかもしれません。相続に強い専門家にご相談されることをお勧めいたします。
相続税対策を3つの視点から見ていきます。
相続財産を減らす
相続財産を相続税の基礎控除額以下に抑えることです。基礎控除額については「相続診断」ページで計算しましたよね。
おさらいしときます。
計算式
3000万円+(600万円×法定相続人の数)
相続財産をこの金額以下に抑えることです。
抑えると言いましたが消費してしまうことではありません。生前贈与や、不動産などを購入して相続財産の資産価値を抑えるのです。
注意が必要なのは、抑えすぎて生活に困窮したり、贈与税などの支払いでかえって損をしないことです。
現状の資産は年々減っていくことが予想されます。無理な節税対策は控えたほうがいい時もあるのです。
控除制度を利用する
相続税には多くの控除制度があります。
先程触れた相続税の基礎控除額もその1つです。
配偶者に関しては特に優遇された控除制度があり、余程の財産がないと課税対象にはなりません。
相続財産が基礎控除額を大きく超えていた場合でも、控除制度を利用すれば非課税ということもあります(この場合は税務署への申告が必要です)。
注意が必要なのは、現在の控除制度が死亡時には適用できないかもしれないということです。
相続税などの税改正はほぼ毎年のように行われているからです。
相続税の基礎控除額も平成27年度に2000万円引き下げられています。
相続税に関する情報には常に注意しておきましょう。
相続税の予算を確保する
相続税の予算を確保するとは、相続税として支払う現金を確保するということです。
相続財産は現金だけではありません。不動産をお持ちの場合は、相続財産に対して不動産の占める割合が大きくなってしまいます。
相続時に現金が少なく相続税分を賄えない場合は、相続人が自己の資産から支払うか、相続財産を現金に換えて支払うことになります(物納などの制度もあります)。
残せる現金が少ない場合は民間保険の死亡時受取金が有効です。
上記のように「相続税対策」を3つの視点で見てみました。どの対策を行うかは自由です。もちろん組み合わせて対策するのも有りです。
ですが、相続税対策は個人で行うのは少し危険です。適切に行われなかったり、申告が必要だったり・・・
心配な方は専門家にアドバイスを求めましょう。出来ればこちらの事情をしっかり聞いてくれてそのうえでアドバイスをしてくれる人を選びましょう。
2 相続トラブルに関すること
「相続のトラブル」ページを読んでいただいた方はもうお分かりでしょうが、相続におけるトラブルはあらゆる場面で発生しています。
お金が絡むことですので小さなトラブルが大きなトラブルへと発展してしまうことも珍しくありません。
ささいなことでも気付いたことは対策しておいたほうが良いでしょう。
そして、ほとんどのケースにおいて有効となるのが「遺言書」です。
相続のトラブルが表面化するのは相続発生後がほとんどです。その時、被相続人であるあなたはトラブルを仲裁することが出来ません。
そこで効力を発揮するのが「遺言書」です。遺言書には想定されるトラブルを回避するような内容をぜひ書いておきましょう。
心配な方は専門家に依頼して確実なものにしておきましょう。