どんだけ〜!戸籍謄本はどこまでいるの?
戸籍謄本はどこまでいるの?
相続手続きにおいては「戸籍謄本の提示」が必要になります。
取引の相手方が、「被相続人の死亡」や「相続人は誰なのか」などを確認するためです。
では一体、どれだけの戸籍謄本が必要なのでしょうか?
それは、「相続人が誰なのか」によって違ってきます。
相続人を確定させるためには、第1順位の「子」から順に調査することになります。「子」の調査で確定しない場合は、第2順位の「親」の調査を行います。「親」の調査で確定しない場合は、さらに第3順位の「兄弟姉妹」の調査へと続きます。
では、具体的にそれぞれの調査に必要な戸籍謄本はどのくらいになるのでしょうか?
常に相続人「配偶者」の調査
被相続人(故人)の相続人となる「配偶者」は、死亡時の配偶者です。
従って、被相続人の「死亡時の戸籍謄本の配偶者」を確認することで相続人となる配偶者が確認出来ます。
相続順位 第1位「子」の調査
相続人となる「子」とは、「「嫡出子」「非嫡出子(認知した子)」「養子」「養子に出した子」などです。
戸籍によって親子関係が確認出来ます。
しかし、戸籍謄本の特徴から「死亡時の戸籍謄本のみ」ではすべてを確認することは出来ません。
全てを知るためには、「被相続人の出生から死亡時までの戸籍謄本」が必要になります。
上記の戸籍謄本は「子がいない」ことの証明にもなりますので、相続順位第2位「親」や相続順位第3位「兄弟姉妹」が相続人となる場合にも必要になります。
「子」の代襲相続も調査する
本来なら相続人となる「子」が「被相続人」よりも先に亡くなっている場合は、「子(故人)」に「代襲相続」が発生していないか調査しなければなりません。
そのため「子(故人)」に「その子(孫)」がいないかを調査します。
具体的には、「子(故人)の出生から死亡時までの戸籍謄本が」必要になります。
代襲相続人である「孫」も亡くなっている場合は、「孫の出生から死亡時までの戸籍謄本」も必要になります。
「子」と「子の代襲相続」についての調査で相続人が確定しない場合(子も代襲相続人もいない場合)は、つぎのステップ「親」の調査に移ります。
相続順位 第2位「親」の調査
「親」の調査は、その生存を確認することで行います。
具体的には、「親の現在の(生存の確認出来る)戸籍謄本」または「被相続人が亡くなった時にはすでに死亡していた(または生存していた)ことを確認できる戸籍謄本」を確認します。
被相続人死亡時の「親(父または母)の生存の確認」が出来れば「親」が相続人で確定します。
「親もともに亡くなっている場合」は相続順位 第3位「兄弟姉妹」に相続権が移ります。
「親」がともに亡くなっている場合→「祖父母」が相続人になる
「親」が亡くなっている場合にも「代襲相続」に似た制度があります。
それは「親(父母)がともに亡くなっている場合、祖父母が相続人となる。」という制度です。
従って「親」がともに亡くなっている場合は「祖父母の生存の有無」を調査するのが原則です。
原則というのは、祖父母の年齢が生存していれば明らかに100歳を優に超えているような場合にまで調査は必要ないでしょう、ということです。
経済的ではありませんし、可能性はほぼゼロだからです。
しかし、取引先が要求してくる場合も有ります。粘り強く交渉するか、割り切って調査しましょう。
「親」(さらには「祖父母」)の調査で相続人が確定しない場合は、次のステップ「兄弟姉妹」の調査に移ります。
相続順位 第3位「兄弟姉妹」の調査
ここまで来たら、すでに集めた戸籍謄本はかなりの量になっていることでしょう。
しかし、まだまだ集めなければなりません。
次に集める戸籍謄本は、「父母それぞれの出生から死亡時までの戸籍謄本」です。
それぞれの戸籍謄本を調査して「異父兄弟・異母兄弟の有無」の確認をしなければなりません。
なぜなら「異父兄弟・異母兄弟」も相続人になるからです。
「兄弟姉妹」の生存が確認出来れば、相続人として確定します。
「兄弟姉妹」にも「代襲相続」の制度が適用される
「兄弟姉妹」が亡くなっている方がいる場合、「甥(おい)・姪(めい)」がいれば「代襲相続」が発生します。
従って、「亡くなっている方の出生から死亡時までの戸籍謄本」を確認する必要があります。
兄弟姉妹の代襲相続は「甥姪」までとなっているので、甥姪の生存の確認までで戸籍謄本の収集は終了です。
「配偶者のみが相続人」の場合の調査
配偶者のみが相続人となることは珍しいことではありません。子供がいない家庭ではほとんどが「配偶者のみが相続人」または「相続人無し」となります。
そして、それらを証明するためには「上記で収集した全ての戸籍謄本」が必要です。
以上が必要な戸籍謄本の解説でした。ちなみに上記以外にも「相続人の戸籍謄本」が必要です。
「相続人は誰になるのか」によって必要な戸籍謄本が違います。こちらの記事を参考にして根気強く集めていきましょう。
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