息子の嫁が許せない!
相続の現場からお伝えします。
今回ご紹介する内容は息子の嫁が相続の話し合いの場に出てきたことによって引き起こされたトラブルです。
早速ご紹介いたしましょう。
先ずは相続関係から整理していきましょう。
相続人は妻と1人息子の2人です
故人(被相続人)は妻と2人で小さいながらも会社を立ち上げ、大変苦労をして会社を成長させていきました。
故人の晩年には1人息子にその会社の代表権を譲りましたが、一緒に会社を盛り上げていました。妻も会社の立ち上げ当時から故人と共に献身的に会社に貢献していました。
妻は故人が亡くなる数年前まで会社の経営に関与していましたが、1人息子の成長と共に少しづつ息子夫婦にその仕事をシフトしていくことになりました。
そんな折に夫が亡くなってしまったのです。
会社を立ち上げ、当初は大変な苦労がありましたがその後軌道に乗り順調に売り上げを伸ばしていきました。
そして資産もそれなりに築くことが出来ました。別宅とまではいきませんが、老後の楽しみとして避暑地の土地を購入もしていました。
資産総額は1億円前後です。
相続の話し合いに息子の妻が
会社経営を息子にシフトしていたことも有り、長年付き合いのあった顧問税理士も息子と懇意になりました。
相続に関してはみんな素人であるため、その税理士にお願いして手続きを進めることになりました。
ここで問題が起きたのです。
それは妻の知らない所で話し合いをまとめ、書類に印鑑と署名を求めてきたのです。
妻は自分の知らない所で話し合いが行われていることに不信感を抱き、その直前に当事務所に相談に訪れました。
面談中も税理士から電話があり、「今自宅に来たのですがいつ戻られますか?」などと言っています。
妻は動転してしまい、とりあえず今日は話だけ聞いておいて判を押さないようにアドバイスいたしました。後日その書類を見せていただければ、その内容をかみ砕いてご説明できるかもしれません、と言ってお引き取り願いました。
話し合いが修羅場に
なんと相続人でもない息子の妻にも相続させようとしていたのです。
妻と息子とその嫁、税理士の4人で話し合いが行われた際に、税理士がなんと「この預金は(息子の)奥さんが貰っとけばいいんじゃないかな」などととんでもない発言をしていたというのです。
妻はその内容よりも、1人息子の嫁が同席していたことに納得がいきませんでした。
息子は可愛いので攻めませんが妻に対しては気持ちよく思っていませんでした。そこで税理士の余計な一言でプツンと来たようです。
この税理士はそのことが分からず、妻を同席させるだけではなく相続分を分け与える提案までしているのです。
実は妻のいない所で夫の相続財産の分け方を検討してしていたようなのです。
相続財産を利用して会社事務所を移転したり、預貯金を負債の返済に充てたりと具体的な話が出てきたようです。
しかし妻には全て初耳でした。そしてそこには出来上がった遺産分割協議書があり、あとは妻の署名と印鑑で完成という段取りでした。
妻は私たちのアドバイス通り判を押しませんでした。実はそれどころではなかったのです。黙って聞いていた妻は堪忍袋の緒が切れてしまいました。
その場面については皆さんのご想像にお任せいたします。
翌日、開店と同時に妻が来店されました
またしても私たちは事情が分からずひたすら話を聞くことしかできませんでした。そして衝撃的な言葉を耳にしました。
相続財産は誰にも渡さない
妻は相続財産を誰にも渡さないと言い出したのです。夫と苦労に苦労を重ねた築き上げた財産を手放したくないと言い出したのです。
もちろん老後の不安もあるでしょう。
いろいろ事情をお伺いして、それは難しいとアドバイスしたのですが・・・一向に折れる気配がありません。
確かに話し合いの場に1人息子の嫁が登場するだけでなく、相続財産も分け与えるというシナリオがおかしいのですが・・・
結論から言います。結末はわかりません。
相続の相談にみえる方によくあることなのですが、言いたいことだけ言ってスッキリりしてお帰りになり、その後音信不通となることがあります。
今回もそのケースでした。ひょっとしたら今頃法廷で大揉めかもしれません。
教訓!相続人以外が顔を出してくると相続はまとまりません。
相続はお金が絡んでくるのはもちろん、その背景にも最新の注意が必要です。
夫婦は老後のためにと北海道に別荘を建てるための土地も購入していました。その思いも分からず、すべて現金化して事業の資金にしようとしていました。
結果はどうなったのかはわかりませんが、円満解決であったことを願うばかりです。
相続の現場からは以上です。
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相続においては、大きな金額の財産が動くことになるため慎重な対応が求められます。
そのため、専門家のサポートを受けることは非常に有意義なものになります。
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