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相続編 遺言者がトラブルの原因に!

遺言書がトラブルの原因に!

相続の現場からお伝えします。

 

遺言書を書く場合には注意が必要なことは多くの方がご存知でしょう。

 

形式はもちろん、内容にも相続人への配慮が求められます。

 

遺言書の作成を専門家依頼した場合には、その相続人への配慮(特に遺留分)を考慮した遺言書を書くように勧められます。

 

今回ご紹介する事例は「遺言書」と「遺留分」に関するトラブルです。

 

妻に全財産を相続させる

今現在では遺言書を書く方自体少ないのですが、こんな思い切った遺言書は初めて見ました。

 

遺言書を残される方の多くは専門家に勧められて、または専門家のアドバイスのもとに書かれる方がほとんどです。

 

私も専門家が関与しない遺言書はまだ見たことがありません。

 

今回ご紹介する遺言書も専門家が関与し、しかも公正証書で作成された遺言書です。

 

その内容が衝撃的でした。

 

妻に全財産を相続させる

 

一見何の変哲もない内容に見えるでしょう。順を追って解説いたします。

 

事例 3人家族(父、長女、長男)母は若くして死亡

父70代、長女・長男40代(ともに未婚)の3人家族。
父が死亡、ただし死亡の1年前に70代の女性と再婚→再婚後すぐに、妻に「全財産を相続させる」遺言書を公正証書で作成

 

ポイントをまとめておきましょう。

  1. 相続人は3人。妻、長女、長男(妻は後妻で、長女・長男とは血縁関係なし)。
  2. 相続財産は不動産、預貯金、株券など総額5000万円。その他に保険金(死亡時受取金)600万円。
  3. 遺言書は公正証書遺言で「妻に全財産を相続させる」と記載。

 

皆さんもご存知のように遺言書の効果は相続においては絶大です。

 

ただ注意が必要なのは「遺留分」という制度があることです。

 

「遺留分」についてはべ別のページで解説してありますのでそちらをご覧下さい。

 

遺言書の作成を専門家に依頼する場合は、遺言書を書くことによるトラブルや将来の相続関係が変化した時にも対応できるような遺言書を作成するようにアドバイスを受けるはずです。

 

今回のトラブルの原因はまさにそこにあります。

 

遺言書を書くことによる配慮が全くなかったのです。もしも遺留分を請求されたとしても対応できるようにとか、法定相続分に満たない相続財産しか相続できない相続人に対して何らかの配慮をしたりとかするものです。

 

今回考えられることは、相続財産を全て妻に相続させる強い意志があったか、専門家がその配慮を怠ったのかのどちらかです。

 

公正証書遺言というのは、公証人(法律の専門家)と証人2名(こちらも士業などの専門家がなることが多い)と本人が一堂に会して作成されるものです。してがって、将来のトラブルについても十分に予想できたことですし、その上での遺言書だったと考えられます。

 

さらに追い打ちをかけることが起きました。

 

それは、妻が相続財産を隠していたのです。

 

遺言書で相続財産を全て相続することが出来たのですが、相続財産を少なく見せるような工作が次々と判明しました。

 

父(被相続人)が亡くなる直前はもちろん、亡くなった後も預貯金のほとんどを引き出していました。

 

また生命保険金(死亡時受取金)も生前貸し付けという形でガンガン現金化していました。

 

かなりグレー(思いっきり黒に近いグレー)な部分がありますが、「妻に全財産を相続させる」という遺言書が有るので他の相続人が黙っていれば事なきを得たかもしれません。

 

しかし長女・長男が黙っていませんでした。

 

そうです。遺留分を行使してきたのです。

 

ここからはルールに則って淡々と手続きを進めることになります。もちろん最終的には裁判になりました(1年以上たっていますが係争中です汗)。

検証 なぜ遺言書が有るのにもめたのか?

ここまでお読みいただいた方は想像がつくでしょうが、原因はズバリ2つです。

 

  • 他の相続人に配慮しない遺言書を書いたこと
  • 妻の行動があまりにも独占的だったこと
  • 父(故人)の遺志を尊重できなかったこ

 

です。

 

結論 揉める家族は揉めるし、揉めない家族は揉めません

もともこうもありませんが、揉める家族は相続対策をしても揉めます。

 

揉めない家族は何もしなくても揉めません。

 

つまり、遺言書は小手先のテクニックに過ぎず根本的な対策にはなってなかったってことです。

 

今回のケースでは、遺言書が有るがゆえに相続争いが大きくなったといってもいいでしょう。

 

遺言書の効力が発揮されるときは本人が亡くなった時です。従って本人の意思を確認することは出来ません。

 

相続人は故人の意思を想像することしかできません。そして往々にして都合のいいように解釈してしまうものです。

 

今回は専門家が関与していたにもかかわらず、悲しい結果となってしまいました。

 

専門家に頼るのも一つの手ですが、遺言書を残さなければならない状況を作り出したのは自分自身かもしれないということも検討しなければなりませんね。

 

今回は遺言書にまつわるトラブルでした。

 

現場からは以上です。

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